アイドル君と私
咲の言葉に笹原の表情は真剣になる。
「……分かった」
「はい…」
「今日仕事が終わったら休憩室で待ってろ?俺がここに来るからっ」
「……はい、宜しくお願いします」
頭を下げ、咲はロッカールームへ。
「はぁ―…」
緊張した。
でも、笹原さんがちゃんと言ってくれたんだから…私もちゃんと言わなきゃ…だよね?
そして咲は仕事に向かった。
――
お昼、休憩を取っていた咲の所へ、昼出勤の望が入ってきた。
「あっ、お疲れ~咲」
「お疲れっ、望」
「あ~もう春だね―」
「えっ…?」
咲は無意味にドキッとする。
「なに?だって、暖かくなってきたじゃん?」
「うんっ…」
「何?咲なんかおかしくない?」
望の言葉に咲は首を振った。