アイドル君と私
「いや…だからね?笹原さんにはちゃんと言おうと思って、自分の気持ち…」
「それはいーけど、廉にはホントに言わないのっ?」
「うん、そのつもり…」
「えー?何か納得出来ない~」
「ははっ…ゴメン、あっ…ほら望時間だよ?」
「えっ!?あっ、ヤバっ」
慌てて着替えに入った望をくすっ…と見送る。
ゴメン…望
でも、今の私には…それが 精一杯だよ。
そう想いながら、咲は付いてたテレビの中のCMの廉を見ていた。
――
そして、咲の仕事上がりの時間、18:00になった。
帰り支度をした咲が、ドキドキしながら笹原を待っていると、休憩室のドアが開いた。
「おうっ」
「あっ…お疲れ様です」
「うん、何だよ?そんな行儀良く待ってなくてもいーのに」