アイドル君と私


「あっ…いや…」


「ふっ…まぁいーや、外出るか?」


「あっ…はい」


そして2人は、裏口を出てすぐのベンチに座った。


「…で?話って?」


「あっ…はい…」


「なに?とうとう俺と付き合ってくれる気になったか?」


「あっ……そのっ…」


咲はゆっくりと首を振った。


そんな咲に笹原の表情が少し曇る。


「笹原さん…」


「……ん?」


「……ごめんなさい」


「えっ…?」


「私…笹原さんの気持ちには答えられません…」


「どういう事…?」


「私っ…」


咲は膝に握ってる手に自然と力が入る。


「私…好きな人がいるんですっ…」


「………っ」


「だから、ごめんなさい…」


そう言って咲がうつむいていると、笹原はふふっ…と笑った。



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