アイドル君と私


そして、4/15


今日は廉が雑誌を取りに来る日。


そして、
笹原の最後の出勤日。


夜、8:30


カウンターにいる咲がそわそわする。


「廉くん…来るならもうそろそろかな?」


“来れない”
ってメールはなかったし。


そんな咲の元へ、笹原が近づいてきた。


「星野っ」


「あっ、はいっ」


「今日雑誌を注文している"鈴宮さん"が来たら、俺も呼んでくれっ」


「…えっ?」


笹原さん…どうして…?


「な?じゃあっ」


そう言うと笹原は咲の元を離れた。


やっぱり、笹原さん


廉くんだって、気づいて…?


でも、どうして
呼ぶんだろう…?


そんなことを少し悩んでいると、カウンターに人影を感じた咲が顔を上げた。



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