アイドル君と私
そして、夕方。
咲は休憩中に雑誌のお会計を済ますと、 上がろうとしていた望に 「頑張れ~」
と言われ、軽く頷いた。
――
そして、時刻は9:00。
「廉くん、来るならそろそろかなぁ…?」
咲が商品整理をしていると、若い女の子2人の立ち話声が聞こえて来る。
「ねぇ、もう少しで廉の映画入るね~?」
「あ~もう来月だよね?楽しみ~」
「ねぇ~絶対見に行く私~」
「あ~あんたは廉のファンだもんね?」
そんな2人の会話を聞いて、咲の手も一瞬止まる。
「そっかぁ…もう少しなんだ」
ボソッとそう言うと、咲は再度手を進める。
廉くんの映画、
こないだもう映画館で宣伝されてたし。
私も見に行かないと。
一人頷いていると、再度2人の話し声が聞こえてくる。