アイドル君と私


「えっ…?ねぇ?あれって…違うよね?」


「えっ?いやぁ―こんな所にいないでしょ?」


「だよね~?」


2人の話し声を聞いて咲は一旦顔を上げた。


「ん…?何だろ?このやり取り…前もどっかで…」


咲が店内を見渡すと、


「……っ!?」


ちょっと待って、
廉くん!?


咲のいる後ろの列を、キョロキョロとしながら歩いている廉がいた。


いや、ちょっと待って
変装してるけど、


オーラ出てる――!


咲は少し焦りながら廉にゆっくり近づいた。


「あの……鈴宮さん?」


「あっ…いた!こんばんはっ」


「……っ」


“いた”って、
私のこと探してたの…?



< 233 / 545 >

この作品をシェア

pagetop