アイドル君と私
「あの…雑誌でしたら、カウンターの方で伺いますので…」
「うんっ、ゴメンね?今日は星野さんいないのかな?って、ウロウロしてた、俺不審人物だよね―?」
「……ううん」
咲は少し照れながら、廉をカウンターの方に案内した。
廉を怪しんでた2人も勘違いだと思い込み、帰って行った。
……だよね?
普通、気づかないよね?
“白石廉”がこんな所にいるなんて。
でも、
私はもう…気づいてしまう。
そしていつも通りに廉に雑誌を渡し、お会計を済ますと、咲は小声で廉に話した。
「あのっ、廉くん」
「ん?なに?」
「この後、何か予定ある?」
「えっ…?この後?いや…ないけど?」
「本当?あの…廉くんさえ大丈夫だったら、帰り…待っててもらってもいい?」