アイドル君と私
咲の言葉に、廉は驚いた顔をする。
「えっ…と……うん?」
「本当?良かった…ありがと?」
「ううん全然っ、じゃあ外の車で待ってるね?」
「うん、ありがとう…じゃあ、後で」
「うん、後でっ」
廉は軽く手を振ると、店の出口に向かった。
「よし…渡すぞ…」
咲はさっき買った雑誌を見つめた。
ーー
そして、10:00
閉店時刻になり、慌てて支度をする。
そして外へ出てすぐに見つけた廉の車に向かった。
咲は車に近づき、助手席のドアをコンコンと叩く。
すると、気づいた廉がドアを開けた。
「お疲れ様っ、どうぞ乗って?」
「お疲れ様っ、ゴメンね?待っててくれてありがとう」
「ううん、それよりどうしたの?」
「あっ…あのね?」
そう言って咲はカバンから雑誌を取り出した。