アイドル君と私
「あのっ…これ……」
そう言って、咲は廉に雑誌を差し出した。
「…えっ?」
廉は雑誌を受け取り戸惑う。
「これ…カメラ雑誌?」
「うん、あのね?うちに入った新しい雑誌でね?見ると…分かりやすそうだったから…廉くんにどうかな?って」
「えっ!?マジで!?俺に!?」
廉はかなり驚いた表情をした。
「う…うん?」
「やべぇ―めっちゃ嬉しい―!!」
「本当?良かったぁ…」
廉くん、すごい喜んでる。
そんなに喜んでくれるとは思わなかったなぁ。
咲がそう思ってる横で、廉は笑顔から思い詰めた表情に変わり…雑誌を見つめていた。
廉は、笹原の言葉を思い出していた。
“それ…いつまで続けるんですか?”
「………。」
そして、雑誌を握る。
「……廉くん?」
「あっ…いや、ありがとう?読んでみるね?」