アイドル君と私
「うんっ…」
「じゃあ、送るね?」
そう言って廉は咲のアパートまで車を走らせた。
そして、咲のアパート前に着き、咲がシートベルトを外す。
「ありがとう廉くん、何か私が用あったのに、送ってもらってゴメンね?」
「ううん、全然気にしないで?」
笑顔の廉に、咲はつい廉を見つめる。
すると、廉も咲の視線に気づき2人の視線が交わる。
ハッ…とした咲が視線を反らそうとした時、
「そらさないでっ…」
「……っ?」
廉の声にハッとして、咲が廉の方を見た瞬間…
廉は咲の腕を引っ張り、突然咲を抱き締めた。
「……っ!!?」
咲は、頭の中が真っ白になる。
……ウソ……?
……なんで…?
何も言わない廉に、咲はそっと口を開いた。