アイドル君と私


「…廉…くん…?」


咲の声に廉はハッとして、体を離す。


「……ごめんっ…」


「……ううん」


咲の頭の中は、まだ
“なんで?”

の言葉が繰り返していた。


「ごめん…今日は雑誌ありがとう?」


「あっ…ううん」


廉が軽く頷くと、咲はドアに手をかけた。


「あっ…じゃあ」


「うん…またね?」


咲が車から降りると、廉は軽く手を振る。


咲も手を振り返すと、2人は別れた。


部屋に向かう中、咲は胸を押さえる。


……どうして…?


ドキドキが止まらない。


廉くんの言葉と、ぬくもりが、私の頭と体を支配する…。


廉くん、
どうして…私を?


私は…


“どうしたら…いい”?



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