アイドル君と私
「俺……俺には…」
廉は2人の顔を見て…。
「俺には……大切な子がいるんだ…」
「えっ…?」
「えっ…?」
2人はまた再度顔を見合わせる。
「それって…」
と、江真は廉の雑誌を取った。
「…この子でしょ?」
「……っ……うん」
廉は頷いた。
「えっ!?何それっ、どういうこと!?何で江真知ってんの―?つうか、雑誌ってなに!?本屋さんっ?」
「そぅ、廉の“大切な子”って本屋さん」
「えっ!?そうなの?」
少し勘違いをしている拓海に、苦笑いしながら廉は口を開いた。
「せ…正確には、本屋の店員さんで…」
「あっ!そういうことね?ビックリしたぁ~江真が“本屋”みたいな事言うから~」
「いやっ、おまえが天然なだけだろ?」
「ひっで~何だよそれ~」
「…で?」
「えっ…?」
「“大切な子”がいると、何で俺等に謝ることになるの?」