アイドル君と私
「……それは」
「うそっ」
「えっ…?」
「言わなくても分かるよ、おまえと同じ立場にいるんだからっ」
「江真っ…」
「俺等だけじゃない、スタッフや事務所の人、そして支えてくれてるファンの人達の事も……って思ってるんだろ?」
「……っ」
江真の言葉に廉は頷いた。
少しの間、3人は沈黙になり…口を開いたのは拓海だった。
「それは…違うんじゃないの?廉くん」
「……えっ?」
少し驚いた江真も拓海を見た。
「そりゃ…今の廉くんの立場で、スキャンダルとかになっちゃったら…大変な事になるかもしれない…けどっ」
拓海は真剣な目で廉を見た。
「それが“謝ること”には繋がらないよっ」
「…拓海っ…」
すると、江真が拓海の言葉にふっ…と少し笑った。