アイドル君と私
「そうだよ廉っ、俺もそう思う」
「江真…」
「俺等が大事にしなきゃいけないことは、いつも決まってるだろ?」
「えっ…?」
江真は笑顔で廉に言った。
「“何があってもRetが変わらないこと”だろ?」
「……っ!」
江真の言葉に拓海もニコッとする。
「“Retが変わらないこと”…」
廉は少し目を閉じた。
すると、カウントダウンライブの時の歓声が耳に聞こえてくる。
周りのスタッフ、
そして…拓海と江真と、自分の3人の…Retのそこにいる姿。
「………。」
そしてゆっくり目を開ける。
自然と2人を見て、そして、少し笑った。
「……だよな?」
廉の言葉に2人も笑顔になる。
「俺…やっぱり拓海と江真と俺で3人で…Retで良かった」