アイドル君と私
出ていった廉を優しげな笑みで見る江真。
すると、コーヒーを飲んでいた拓海が口を開く。
「けどさ、ビックリしたね?まさか、廉くんがあんな話するとは~」
「だな?俺等の中じゃ最後だと思ってたな~俺は」
「俺もっ」
「ふっ、おまえは廉が大好きだからな?」
「はぁ―?何だよそれ~そんな事言ったら江真だってこないだ廉の着替えシーン写メってたじゃん!」
「はぁ?それぐらいいいだろ~?」
「何だよ、いいだろ~じゃねーよっ」
ムキになる拓海をよそに、江真は冷静に言った。
「でもさ、拓海っ」
「ん?なに?」
「もし…廉に何かあったら、俺等がフォローしようなっ?」
「……っ…おぅ」
「それが“Ret”だろ?」
「おぅ、分かってるよ!」
廉を想う、2人のそんなやり取りはしばらく続いていた―。