アイドル君と私
「…廉くん…」
いつの間に…私のこと?
でも、やっぱり…白石廉が自分の事を“好き”なんて… とても…思えなかった。
「咲ちゃん…」
と、廉の手が咲の肩へ置かれる。
「…えっ…」
そして、廉の顔が近づいてきた。
うそっ…?
“キス”…!?
そう咲が思った時、
♪♪♪♪♪〜
館内から、閉館のお知らせのほたるのひかり♪が流れだした。
その音に、バッと離れる2人。
照れからか、お互いに少しうつむく。
「か…帰ろうか?」
「あっ…はい…」
ぎこちなくも、2人は並んでレインボータワーをあとにした。