アイドル君と私
そして帰りの車の中。
2人は少しぎくしゃくとなる。
「あのさ…咲ちゃん」
「…うん?」
「俺…雑誌の注文もう…やめるよっ」
「……えっ?」
「あっ…いや、雑誌は読むけど、注文するのはやっぱり個人的な“理由”もあったから…これを気にやめようかなと思って」
「そっ…か?うん、分かった」
そっか…
でも、ちょっと
淋しいなぁ…。
「だってさ、もう“理由”なくても会えると思って…」
「…えっ…」
その言葉に、廉の横顔を見る咲。
廉は前を向いたままハンドルを握っていた。
「えっ!?違う?あれっ!?俺…てっきり…」
そう言って廉の顔が赤くなる。
「あっ!うんっ…ゴメン!私も…そうだといいなって…」
「本当?良かったぁ…焦ったぁ―」