アイドル君と私
「ゴメンね?」
「俺なんか変な汗かいた~」
「あははっ」
まだ少し焦り顔の廉を横目に、咲は思った。
やっぱり…
私、この人が好き…。
大好きっ。
……大切にしたいな……。
絶対に傷つけたくないっ…。
ーー
そして、車は咲のアパート前に着いた。
「ゴメンね?遅い時間になって…」
「あっ…ううん、私は大丈夫、廉くんこそ大丈夫?」
「俺も明日は少し遅めだから大丈夫っ、それに今日は眠れそうにないしっ」
「えっ!?ダ…ダメだよ、寝ないとっ」
「あっ…そうだよね?分かった…頑張って寝るね?」
「あっ…うん?」
“頑張って”?
大丈夫かなぁ…。
…って、
私もきっと、眠れないけど…。