アイドル君と私
「じゃあ…今日はありがとう、廉くん」
「いやっ、俺の方こそありがとう」
咲は笑顔で首を振り、ドアに手をかけようとした時。
「あっ…咲ちゃんっ」
「えっ?なに?」
「あっ…えっと……」
廉は声をかけたものの、少しとまどった。
「えっと…明日、またメールするね?」
「……うんっ」
廉の言葉に咲は笑顔になる。
そして、咲の笑顔に廉も笑顔になり、
2人は手を振って今日を別れた。
廉の車を見送って、咲はアパートに体を向け歩きだした。
「はぁ―…」
ドキドキしたぁ。
ウソみたいな出来事… だよね?
嬉しすぎて感情がよく分かんない。
明日になって、廉くんとメールしたら…実感するのかな?
早く……明日になれば
いいのに―…。