アイドル君と私
そして咲はグッズコーナーへ向かった。
「パンフレット買おうかなぁ…どうしよう?」
でも、やっぱり記念に、
と、咲が店員さんに声をかけようとした時。
「すいませ~ん!パンフレット下さ―いっ」
「……っ!?」
隣の女子高生の勢いに押され、咲が言えずにいると、その子は廉の映画のパンフレットを買っていた。
「…あっ…」
2人組の女子高生は、パンフレットを見ながらキャッキャッと騒いでいる。
2人のそばで、パンフレットを買う勇気がなくなった咲はその場を離れた。
「やっぱり…パンフレットは…ね?」
ゴメンね?
廉くん…。
咲は館内の大きな廉の看板を見つめた…。