アイドル君と私
その夜、咲はテレビを見ながら一人ご飯を食べていた。
「そうだ…廉くんに“映画見に行ったよ"って言おうかな?」
でもな…あんまり、そういうの言われたくないかも?
そんな事を悩みながら、咲はご飯の手を進めた。
それから後片付けをして、お風呂からちょうど上がった頃、咲の携帯がなる。
「…廉くんだっ」
すぐに携帯を取り、電話に出る。
「もしもし?」
『あっ、咲ちゃん?』
「うん、廉くん今仕事終わったの?」
『そう、ゴメンね?遅くに…』
「ううん、お疲れ様っ」
なんか、最近この時間帯多くなってきたな…。
前より忙しくなってる?
これじゃ、どっちみち雑誌は無理だったなぁ。