アイドル君と私
廉の家は、咲のアパートからわりと近く、15分程で着いた。
駐車場に車を停めて、2人はマンション入口に向かった。
咲はマンションの外観を見上げる。
「……マンション……高っ…」
そして廉は手慣れたように、暗証番号を押し、入口を入ってエレベーターのボタンを押した。
「………。」
私の家と…全然違う。
やっぱり、
咲は廉をチラッと見る。
やっぱり……芸能人なんだなぁ…。
私みたいな庶民がお邪魔していいのかな?
そして、自分の服をチラッと見る。
「もう少し…いい格好してこれば良かったかな?」
ボソッとそんな言葉が出てくる。
そして、エレベーターは廉の部屋がある階に止まった。
「こっちだよ?」
「あっ…うんっ」
そう言って廉の後をついて行く。