アイドル君と私


「…ん?これなんだろ?」


咲は真っ白な表紙のない
DVDケースを見つける。


「廉くん…これはなんの映画?」


DVDを手に持って、廉に見せる咲。


すると廉はそのDVD見て、飲んでいたお茶でむせそうになる。


「それ!ごほっ…ごほっ!咲ちゃん、それはダメ!!」


と、廉が立ち上がり、咲からDVDを取り上げる。


廉の行動に、咲が驚く。


「あっ…ゴメン、何だろうと思って?中は見てないよ?」


「あっ…うん、ゴメンね?これは…面白くないからっ…ははっ」


焦りながらDVDを後ろに隠す廉。


「そう…なの?映画?」


「あっ…うん」


「なんの…?」


「えっ…?なんの…って」


視線を落として困った顔の廉が、可笑しく思えてきた咲は質問を続けた。


「なんか私、気になるな?それっ、映画見てみたいっ」



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