アイドル君と私
「えっ!?ダメ!!絶対ダメ!!」
廉は照れた顔をしながらも、ムキになって断り続ける。
廉くんが、こんなにムキになるなんて…
なおさら気になる。
「じゃあ、何の映画かだけ教えて?」
「えっ…?これは…」
「これは…?」
「……デビュー作品…」
「えっ…!?そうなの?」
廉くんの、初映画!?
「すげ―イガグリ頭だったから…この時、だからっ…」
そう言った廉を、咲はじっ…と見る。
「えっ……まさか?」
咲は笑顔で廉を見る。
「その“まさか”じゃダメ?」
「…ダメ!!恥ずかしくて見せらんないよ!」
「でも、私Retの事あんまり知らなくて、廉くんが、昔出てた映画とかも……だから、見てみたいな?」
「い…いーよっ、これは知らなくて―」