アイドル君と私


「えっ!?ダメ!!絶対ダメ!!」


廉は照れた顔をしながらも、ムキになって断り続ける。


廉くんが、こんなにムキになるなんて…
なおさら気になる。


「じゃあ、何の映画かだけ教えて?」


「えっ…?これは…」


「これは…?」


「……デビュー作品…」


「えっ…!?そうなの?」


廉くんの、初映画!?


「すげ―イガグリ頭だったから…この時、だからっ…」


そう言った廉を、咲はじっ…と見る。


「えっ……まさか?」


咲は笑顔で廉を見る。


「その“まさか”じゃダメ?」


「…ダメ!!恥ずかしくて見せらんないよ!」


「でも、私Retの事あんまり知らなくて、廉くんが、昔出てた映画とかも……だから、見てみたいな?」


「い…いーよっ、これは知らなくて―」




< 290 / 545 >

この作品をシェア

pagetop