アイドル君と私
「でも…」
「じゃあ、じゃんけんしよ?」
「えっ!?マジで…?」
「うんっ、一発勝負!負けたら諦めるからっ」
「うーん…っていうか、もう俺ギブアップじゃない?」
「えっ?なんで?」
すると廉はそっぽ向いて、ボソッと口にする。
「だって…最悪レンタルできるじゃん?」
「あっ…そっか?」
「あ―!もういいっ」
「えっ?」
「レンタルでコソッと見られるぐらいなら、ここで見てっていーよっ…」
照れながら横目で咲にそう言った廉は、しぶしぶDVDを渡した。
「本当に?」
「う…んっ」
「ありがとう、廉くんっ」
咲はニコッとして、DVDを出してセットした。
そして、DVDがスタートする。