アイドル君と私


「でも…」


「じゃあ、じゃんけんしよ?」


「えっ!?マジで…?」


「うんっ、一発勝負!負けたら諦めるからっ」


「うーん…っていうか、もう俺ギブアップじゃない?」


「えっ?なんで?」


すると廉はそっぽ向いて、ボソッと口にする。


「だって…最悪レンタルできるじゃん?」


「あっ…そっか?」


「あ―!もういいっ」


「えっ?」


「レンタルでコソッと見られるぐらいなら、ここで見てっていーよっ…」


照れながら横目で咲にそう言った廉は、しぶしぶDVDを渡した。


「本当に?」


「う…んっ」


「ありがとう、廉くんっ」


咲はニコッとして、DVDを出してセットした。


そして、DVDがスタートする。



< 291 / 545 >

この作品をシェア

pagetop