アイドル君と私
「えっ…?だっておまえ…運ばれたんじゃ?」
「あ―…うん、発作は確かに治まらなかったけど…心配性のマネージャーが救急車呼んでさぁ…俺は大丈夫って言ったんだけどね―」
「はぁ~?何だよそれ―」
そう言って、廉がしゃがみ込む。
「あははっ、悪い悪い…っていうか、2人とも来るなんて思わなかったよ~」
「そりゃ来るよ、なぁ?江真っ」
「あぁ、まぁな?けど、俺は廉ほど慌ててねーけど?事情をちゃんとマネージャーに聞いてたからなっ」
「はぁ―…?何だよ~俺だけ慌ててたみたいな感じっ」
焦り顔の廉を見て、拓海はまた笑っていた。
「あははっ、ゴメンゴメン廉くん、でも…本当にゴメンなんだ?」
「……えっ?」
すると、拓海の顔から笑顔が消えた。
「どういうことだ?」
江真も表情が変わり、拓海を見る。