アイドル君と私
「あ―…うん」
「アイツ、あぁ見えて我慢して溜め込むタイプだからな?」
「うん…落ち込んでないといいけど」
「大丈夫さ、アイツもちゃんと分かってるよ、俺等は俺等で3日間頑張ろうぜっ?」
「……うん」
そして、駐車場から車に乗ろうとした廉は、もう一度拓海のいた病室を見上げた。
「頑張れよっ…拓海…」
ボソッとそう言うと、廉は車に乗り込んだ。
ーー
その頃、時刻はすでに
10:00過ぎになっていた。
咲は部屋で廉からの電話を待っていた。
「廉くん…電話…仕事だったのかな?」
しばらく携帯を見つめて、諦めて咲がお風呂に入ろうとした時、
ピンポーン♪
「……えっ?こんな時間に?」
誰だろう?
咲がそっとインターホンに近づくと、その姿に驚く。