アイドル君と私
「廉くんっ…?……どうしたの?」
すると廉は、咲の肩に顔を埋めて口を開く。
「ゴメン…咲ちゃん、ちょっとでいいから…このままでいさせて?」
「えっ…?」
「大切なものが大切だって…ちゃんと確認したかったんだ…」
「…廉くん…」
そして、咲も廉の背中に手を回す。
「うん…分かった」
そう言って、そっと目を閉じ廉の温もりを感じる。
廉くん…。
私は廉くんのこと、
大切だよ?
ホントに…大切。
ーー
そして少しすると、廉はスッと離れた。
「ゴメンね?咲ちゃん…」
「ううん…あっ、お茶入れるね?」
「うん、ありがとう」
そう言って廉はテーブル前に座った。
咲は廉の様子が気になりながらも、キッチンでお茶を入れて廉の前に座った。