アイドル君と私
そして廉は、ゆっくり口を開き拓海の事を話した。
ーー
「そうだったんだ…心配だね?拓海くんのこと…」
「うん、多分明日エンタメニュースに出るねっ、アイツ」
「あ―…うん、そうかも」
芸能人って、そういう時可哀想…。
「あっ…ゴメン、ちょっと拓海にメールしといてもいい?」
「うん?いいよっ」
廉は携帯でメールを打ち始めた。
そんな廉を見つめる咲は、少し微笑んだ。
本当に大切…なんだね?
メンバーのこと。
そして、廉が携帯をしまう。
「俺…前に言っちゃったかもしれないけど…」
「えっ…?」
「“なんで俺には、大切なものが多いんだろう?”って…」
「あっ…うん」
前に、一緒に食事してた時に言ってた。
「“なんで?”って時々思うけど、やっぱり…変わらない、大切なんだよね?どれも……比べられないっ」