アイドル君と私
「っていうか、もうすぐ一大イベントじゃん?」
「一大イベント?」
「そうだよっ、来週は咲の誕生日!」
「……あっ…!」
そうだ…来週は私の誕生日…!
「ね?なんかもう約束してるの?」
「えっ?…なにもないよ―」
「えっ!?なにも?」
「仕方ないよ…廉くん忙しいからっ」
「でも、いくら何でも何もないのはなぁ~」
「うーん…」
仕方ないよ…望。
廉くんは、めちゃめちゃ 忙しい人だから。
咲は少しうつむいて、携帯の画面を見た。
――