アイドル君と私
そして、誕生日の前日。
夜、部屋にいた咲は廉と電話していた。
『ゴメンね?咲ちゃん…』
「えっ…?なに?」
『明日、誕生日なのに俺仕事で…』
「ううん、そんな…いいのっ」
『でも、遅いかもだけど、仕事終わったら絶対連絡するからっ』
「うんっ、ありがとう」
でも、
私は廉くんに誕生日覚えてもらえるだけで…… 嬉しいよ?
けど、
やっぱり、それだけじゃないのかな?
私…やっぱり、淋しいのかな?
『咲ちゃん…』
「あっ…うん?」
『俺…こんなだけど……なるべく咲ちゃんとの時間大切にしたいからっ』
「廉くん…ありがとう」
……バカだな、私。
これ以上求めて…。
充分…幸せなことなのに。