アイドル君と私
「あっ…えっと…星野咲といいますっ」
『へぇ~?じゃあ“咲ちゃん”だっ』
「あっ…はいっ」
拓海くん…
やっぱり人懐っこい人。
『いつも廉くんがお世話になってます、拓海ですっ』
「あっ…いえ、そんな…私の方が…いろいろしてもらってて」
『えっ?そうなの?例えば~?』
「えっ!?えっと…」
困ってる咲を見て、廉が携帯を取り上げる。
「もしもし拓海っ?もういいだろ!?」
『え~?まだ名前しか聞いてないっ』
「他になに聞くんだよっ?」
『二人の馴れ初めとか~どっちが惚れたかとかぁ~?』
「アホか!?結婚式じゃねーんだよっ、じゃあ切るぞっ」
『え―なんだよ~』
「また明日なっ?」
『ちぇ~あっ、咲ちゃんにヨロシク』
「……っ!?」
拓海の“咲ちゃん”に廉の頭の中で怒り音がなった。