アイドル君と私
「あっ…車に戻ろうか?冷えてきたよね?」
「うん…」
そして二人は車に戻る。
「咲ちゃん、明日仕事だよね?」
「うん、廉くんも?」
「俺は明日ちょっと遅いけど」
「そうなんだ?」
「じゃあ…咲ちゃんのアパートに戻るね?」
「うん…」
少し淋しげに、咲がネックレスが入っていた箱を握ると…廉がその手を握ってきた。
「……っ」
咲が廉を見ると、
廉も咲を見てきた。
廉の視線に、ドキドキが限界になった咲がうつむいてしまうと、廉の手が箱から咲の顎に移った。
「…えっ…」
顔を上げると、廉の顔が近づいてくる。
「…咲ちゃん…」
「廉くん…」
そして、ゆっくり唇が重なる。
「……んっ…」
何度も重ねると、廉は照れた顔をしながら離れた。