アイドル君と私
そして、12/24。
約束の15:00に廉が咲のアパート前に着いた。
デートではないと思った咲は、プレゼントを用意出来なかった。
どっちみち…分からなかったんだけどね?
廉くんの欲しいもの…。
何でも持ってるような気がして…。
そして、ミラーで支度をチェックすると、咲は部屋を出る。
いつもの様に廉の車に咲は乗り込んだ。
すると、廉はいつもの満面の笑みではなく、優しげに笑ってきた。
「ゴメンね?今日は…突然っ」
「ううん?でも…どこへ?」
「……うん、じゃあ出発していい?」
「うん…」
車が発進してしばらく廉は無口になった。
心配そうに廉の横顔を盗み見る咲。
廉…くん?
どうしたんだろう。
元気ない…?
そして、信号が赤で止まった時、廉が口を開いた。