アイドル君と私


前に部屋に行った時も、
荷物は“姉ちゃん”が送ってくるって…言ってたし。


どっかで…私、
そんな気がしてた。


でも…まさか、
12/24だなんて…。


咲がそう思っていると、廉がゆっくり話しだした。


「デビューの年だったんだ…」


「えっ…?」


「亡くなったの…デビューした年の今日だった…」


「そう…だったんだ……廉くんっ」


「ん…?」


「ごめんなさいっ」


「えっ!?」


「私…知らなかったんだけど、実はこないだネットで見ちゃって…プロフィールに……」


「あっ…そっか、そうなんだ?全然謝ることじゃないよっ」


「うんっ…」


「俺の方こそゴメンね?」


「えっ…?」


「せっかくのクリスマスに墓参りに付き合ってもらうことになって…」


「あっ…ううん?それはいいのっ、でも会わせたい人って…お母さん?」



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