アイドル君と私


とその時、他の車もコンビニ前に並びだし少し人が多くなってきた。


それを見た廉はポケットからだてメガネを出してかけた。


「あ―…じゃあ」


「あっ……はい」


「また本屋に行きますっ」


「はいっ」


私が笑顔でそう返すと、白石廉は自分の車に向かった。


そして私が歩きだして、少しすると廉の車も発進し出した。


部屋に着いて、私は冷やし中華をテーブルの上に置く。


「はぁ―…ビックリしたぁ」


まさか、近所のコンビニで偶然会うなんて。


でも、何度か会ってるから白石廉が変装してても気づくようになったんだよなぁ。


もし、私が本屋で働いていなかったら、絶対あの人が“白石廉”って気づけたか分からないな。


…良かったのかな?


彼はきっとまた本屋に来てくれると思うけど、


私なんかと、



出会って良かったのかなぁ…?




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