アイドル君と私
ドラマ撮影スタジオ。
廉の連ドラ撮影日。
廉が待ち時間に自分の控え室にいると、コンコンと人が訪ねてきて廉が返事をした。
「…はい?」
「廉?私だけど、入っていい?」
「あっ…うん?」
ガチャと扉を開き、入って来たのは…共演者の高沢比奈だった。
「廉、なにしてた?」
「えっ?お弁当食べてた」
「あっ、本当だ」
比奈は廉の前のテーブルを見た。
「ねぇ?デザート持ってきたの、食べない?」
「あ~うんっ、サンキュ」
比奈は近くにいた廉のマネージャーに慣れたように頭を下げると、テーブル前のソファーに座った。
すると、マネージャーは手帳を閉じ扉に向かった。
「じゃあ廉くん、僕はスケジュールの確認に行って来るから、もう少し休んでて下さいっ」
「うんっ、分かった、ありがとう」