アイドル君と私
そんな言葉をボソッと呟いた自分に、咲はハッ…とする。
「私っ…女優さん相手に嫉妬してるの!?」
とても…比べられないくせにっ…。
仕事相手なんだから仕方ないしね…?
もう一度息を吐き、咲は雑誌を閉じる。
「……大丈夫……大丈夫」
廉くんの事は信じてる。
でも…こういう事があって、
改めて思うけど…。
廉くんは、どうして
私なのかな…?
そう思って、咲は雑誌の表紙の中の廉を見つめた―。