アイドル君と私
「…えっ…」
比奈の言葉に廉は少し驚いたが、スッと体を移動させる。
「…これでいい?」
「うんっ、ありがとうっ」
隣に座った廉に、比奈は笑顔を向けた。
「いや…これぐらい、全然お願いじゃ……」
廉がそう言いかけた時、廉の肩にふわっ…と
比奈の髪がかかり、
それはすぐに比奈の頭の重さだと認識する廉。
「……っ!?」
そして比奈は廉の肩にもたれかかる。
「…ひぃ…?」
廉の問いかけに、比奈は少し擦れた声で…。
「ごめんっ……少し、少しの間だけでいいから…このままでいさせて?」
「……っ…うん、分かった…」
廉はとまどいつつもそう答えた。
「なぁ…?ひぃ」
「……ん?」
「おまえのプロ根性凄いと思うよ?こんな女優さん会ったことないよっ…?」