アイドル君と私
「……廉くんっ」
廉からの返事は、
《 咲ちゃん、お疲れ。
今、小休憩。
14日なんだけど、相変わらず撮影だけど、上手くいったら10:30頃には終わるかもしれない。
当日、また連絡してもいい? 》
「廉くんっ…」
会えるかもしれない?
…じゃなくて、
渡せるかもしれない?
嬉しいっ。
ここんとこ、ずっと深夜回る事が多かったから、全然会えてなかったし。
ふふっ…と、咲は思わず微笑む。
「よしっ!頑張ってチョコ作ろう」
そう言って咲は、携帯を握り締めた。
――
そして、バレンタイン当日。
早番の仕事が終わった咲は、スーパーに寄り材料を買ってさっそく自宅でチョコ作りを始める。
思わず頬骨が上がる。
「ふふっ…だめ、ちゃんと作らないとっ」
そう言って手を進める。