アイドル君と私


廉の声に咲は少し微笑んだ。


「もう…大丈夫、心配かけて…ごめんなさい」


「ううん?良かったぁ」


そう言って久々に2人は微笑み、和やかな時間が流れる。


そして、お茶を飲みながら廉はチョコを食べる。


「うんっ、美味しい!」


「本当?良かったぁ〜ちょっと急ぎめで作ったから心配だったんだ…」


「ううん全然っ、美味しい―」


ニコッとする廉に、咲は嬉しくなる。


「あっ…お茶のおかわり入れるね?」


「ありがとう」


咲が廉のコップを持ってすっと立ち上がりキッチンに向かった。


そしてティーバッグを取ろうとした時、


「咲ちゃん…」


廉に声をかけられ、咲が振り向こうとすると、ぎゅっ…と廉に後ろから抱き締められる。


「……っ…!」


「咲ちゃん…」


廉の声が耳元に響き、咲の体が少し震える。



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