アイドル君と私


そして車から降りて、会場のお店の入口に近づくと、一人の女性の姿が見えた。


その女性(ひと)を見て、廉が一瞬立ち止まる。


「…ひぃ…」


立っていた女性は比奈だった。


比奈は廉に気づき、いつものような笑顔で声をかける。


「廉っ、こっちこっち~もう始まるよ―?」


「…うん」


いつもと変わらない比奈に、廉は少しとまどいつつも比奈と中へ入る。


そして打ち上げが始まり、沢山の人達が乾杯をする。


フロア全てを貸し切りにしていた打ち上げは盛り上がり出した。


そして、始まってしばらくして…挨拶回りしていた比奈の元へ廉が近づいた。


「ひぃ…」


「……廉っ」


自分の元へ来た廉を見て、比奈はドキッとする。


「打ち上げが終わったら…少し時間いい?」


「……いいよ?今、ここで…」


「えっ…?今っ?」



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