アイドル君と私
海と彼
春になって間もなく、
廉と咲の2人は前に約束していた旅行に行くことに。
廉の都合で休みは一日と、半日しか取れなかったが、2人は都心からも車で行ける半島へ行くことにした。
当日の朝―。
荷物をまとめながら、緊張した面持ちの咲。
「とうとう、来ちゃった…」
廉くんと2人の旅行の日。
咲は胸を押さえる。
「きっ……緊張しかないっ」
ど…どうしよう…?
私も楽しみにしてたし、
行きたいよ…?
今日をずっと…楽しみにしてたんだから。
大丈夫、楽しめるよね?
そう思って一人頷き、咲はカバンのチャックを閉める。
その時、携帯音が鳴る。
廉からのメールが届き、
“今から家を出る”とのこと。