アイドル君と私
廉はカメラを操作しながら口を開いた。
「良かった…」
「えっ…?」
「雑誌買ってたの…役にたった気がする」
「あっ…うん」
咲は廉が告白してくれた時の“理由”
だったって言われた事を思い出して少し照れる。
そして廉はパシャパシャと写真を撮り始める。
そんな廉の横顔に見とれる咲。
廉くん…やっぱり素敵。
いつも素敵だけど…
今日はこんな所に2人で来てるせいか、
いつもより多く感じる。
そして廉がカメラから顔を離すと、咲を見る。
「…えっ?」
「あっ…いや、えっと…」
「…?」
「あのさっ…」
「うん…?」
すると廉は赤い顔で…。
「…一緒の写真撮らない?」
「…えっ?…」
一緒の写真…?
咲は頭の中を巡ってもう一度リアクションをする。
「……えっ!?」
「えっ!?あっ…いや、その…イヤだったら…」
「違うのっ、全然イヤじゃなくって…」
「本当?」
「うんっ、その…ビックリして…」
「あっ…うん、そういえば一緒の写真なかったなって」
「…うん」
そうだ、
2人の写真なんて持ってなかった…。