アイドル君と私


「今日は……帰さないっ」


「…えっ…」


「っていうか…俺が不安だから、一緒にいたいっ…」


「…えっ…あの…」


咲が答えるのを待たずに、廉はそのまま咲の手を引っ張り車に向かった。


そして車に2人が乗ると、廉はもう一度咲を見た。


「……俺の部屋に行こう?…離れたくないっ…」


「あっ…でも…」


また車がいるかも…?

気になり、咲はうつむく。


そんな咲の手を廉が握る。


「……大丈夫、大丈夫だから…」


優しく微笑む廉にホッとした咲は、
静かにうなづいた。


そして2人は廉の家へ


車がマンション駐車場に着き、
咲がゆっくりマンション入口に向かうと
通りの道を不安気に振り返る。


そこに、廉も歩いて来た。


「……大丈夫だよ、いなかったから…」


「うん…」


そして、2人はマンションの中へ。


廉の部屋に入ると、廉が急に慌て出す。


「あっ…咲ちゃん、ちょっとだけここで待ってて?」


「えっ?うん…」


すると廉は急いでリビングに向かい、
なにやら、バタバタと動いていた。


「くすっ…片づけてるのかな?可愛いー…」


廉くんなら、私…散らかっててもいいのに。


そして少しして、廉が戻って来る。


「ごめんっ…お待たせっ」


「うんっ、お邪魔します…」



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