アイドル君と私
咲と別れ、廉も仕事の日々が続いていた。
拓海と江真も、廉を心配していた。
そんなある日のRetの雑誌の取材の日。
ライターがRetに、恒例の質問をする。
「それでは、今の好きなタイプは?白石さんからっ」
この質問に、廉はいつも“タレ目の子”と答えていたが、質問された廉は、黙ってしまい…。
ライターが不思議に思っていると、
拓海と江真が目を合わせ、江真が口を開いた。
「あ~廉より、先に俺の話聞いてくれますか?」
……と、江真が助け舟を出そうとすると、
「そばで……笑ってくれる人ですっ」
廉の言葉に、2人は「えっ…?」
と驚く。
すると、ライターが廉に再度聞き返す。
「……と、いうと?」
「僕はそんなに、カッコがつかないので……僕の言動に笑ってくれる人がいいですね…」
そう言って廉は穏やかに笑った。
「白石さんが、カッコつかない所なんて想像出来ないですねー?」
「そうなんです、廉くんは遠慮がちなんですっ、では次、僕ですよねっ?」
拓海が割って入り、話を自分に向けようとする。