アイドル君と私
私が必死に伝えようとすると、
「ははっ、そんな星野さんが気を使わなくても~あれ?…使わせてるのは俺か?」
「えっと…」
何か、笑われてしまった。
「とにかく、今雑誌取ってるのはプライベートだから、それなら自分の連絡先にするよっ」
「えっ…?大丈夫なんですか?」
「大丈夫だよ、携帯に入ってるメモリーが全部業界の人なわけないからねっ」
「…そっか?」
「うんっ、じゃあ…」
すると、廉はポケットから自分の携帯を取り出し、咲のアドレスを打ち込んだ。
「はいっ、じゃあ宜しくお願いします」
「あっ…こちらこそっ」
廉に軽くお辞儀され、私も軽く頭を下げた。
そして車から降りると、助手席の窓が開いた。