アイドル君と私
そして、夜。
お店に着いた咲達は、
先に着いていた男性陣2人の元へ。
麻里が先輩を見つけると、笑顔で挨拶をする。
「お待たせしましたぁー」
麻里が挨拶する向こうに、男2人の姿が見える。
一人の先輩が麻里の先輩らしく、
親しげに話しながら席につく。
そして、咲も席につこうとすると、
もう一人の男性と目が合う。
「あっ……こんばんは」
「こんばんはっ」
ニコッと咲に向かって挨拶する男は、
少し外見がチャラそうだったけど、人なっこそうな人だった。
そして4人の飲み物が揃うと、
麻里が口を開く。
「じゃぁ~紹介しますっ、私のお店の星野咲先輩ですっ」
「あっ…どうも、星野咲といいます」
挨拶をする咲に、男性陣2人は揃って
「こんばんは」と返す。
そして麻里の先輩の男も口を開く。
「じゃぁーこちらもっ、俺が片瀬で…隣が、高山勇介っ、会社の同僚なんだっ」
「へぇ~?そうなんですねっ?」
麻里は笑顔で相づちを打っていた。
そんな麻里の姿に、咲はうつむいた。
ダメだな…私、
愛想よく…出来ないや。
やっぱり、来ない方が良かったのかな…?
咲はそっと、ドリンクに手を伸ばす。
そんな咲を…勇介はふいに見つめた。
そして食事が進む中、麻里は楽しく会話をしている。
その間咲は手を止め、トイレに立った。