アイドル君と私
咲はまた少しうつむいてしまう…。
そんな咲を、勇介が盗み見る。
「……。」
そしてバスが咲のアパート近くに止まり、
2人は咲のアパート前へ。
「あのっ…送ってくれてありがとうございますっ」
「いいよー…っていうか、名前で呼んでよね?覚えてるっ?」
勇介は自分を指差す。
「あっ…はい、高山…勇介さん…」
「せーかいっ、ちゃんと覚えといてねっ?
次会うまでっ」
「えっ…?次っ?」
「うんっ、あっ…ねぇ?星野さんっ」
そう言って勇介が咲の目の前に近づく。
「……っ」
なに…?
すると、勇介は少し優しげな瞳で…。
「星野さんって……今、忘れられない人…いるでしょ?」
「……っ!!」
勇介の言葉に、咲はうつむいた。
「やっぱり…図星だっ」
「……どうして?それも麻里ちゃんから…?」
「いやっ?そこまでは聞いてないよ?けど…
今日の君の表情見てたら…気づいちゃった」
「えっ…?私の表情…?」
「うんっ、時々…辛そうな顔してたっ」
「……そんなことっ…」
「いいんだよっ、俺そういの分かっちゃうからっ」
「……っ」