アイドル君と私
映画かぁ…。
廉くんと一緒に見に行った時以来になる、
男の人と2人で行くのは…。
咲は窓からの景色を眺める。
そして、車は映画館に着いた。
「さっ、なに観ようか?」
「えっ…と…」
咲は一通りの映画名を見た後、高山を見た。
「私は、何でも…高山さんの見たいもので…」
「えっ?じゃぁ~こってこてのラブストーリーにするよっ?」
「えっ!?」
「あははっ、嘘っ冗談!」
「冗談…」
「そのっ上の、これにしよっ」
そう言って、高山な洋画のヒューマンドラマものを選んだ。
「…うんっ」
あの時の…廉くんと、同じだ…。
咲は、眉を下げて周りの景色を見た。
そんな咲を見つめる高山は、咲の手を掴んだ。
「行こっ」
「えっ!?あっ…うん」
急に手を引かれ、咲はドキッとする。
そして飲み物を買った2人は館内に入る。
席に座ると、高山が口を開いた。
「っていうかさぁ~同い年なんだから“さん”づけはやめてよねー?」
「えっ!?あー…そうなんだけど、知り合って間もないし、なんて呼んでいいのか分からなくて…」